画家 佐藤潤

画家 佐藤潤のブログです。

日本がつくった霊獣たち(スイサイ・水犀)


北野天満宮の水犀(スイサイ)です。
かつて生き物はそのほとんどが未知でした。
サイは今では動物園にかならずいる
子どもでも知っているメジャーな動物ですが
江戸時代の日本の人々でサイの姿を見たことのある人は居ませんでした。
しかしサイの角は漢方薬として日本に入ってきました。
解熱剤として信じられていたようです。
そしてサイのことを伝え聞いて誕生したのが水犀(スイサイ)です。
背中に甲羅があるのが特徴です。
水辺の湿地にを好む生き物とのことで
建築物の火災よけとして彫像されました。


僕が面白いと思うのは、
この水犀はアフリカなどに生息しているクロサイではなく
インドサイが伝わったというところです。
インドサイには背中が鎧のようなので、
その部分が亀の甲羅として表現されたわけです。
水辺を好んでいると言うのもインドサイの特徴です。
乱獲によって絶滅危惧種となっているサイ。
昔の人々が霊獣として崇めていたサイの魅力を僕も伝えたいです。
観光などで神社やお寺に行かれるときには
彫像も是非ご覧ください。
発見があって面白いです。