画家 佐藤潤

画家 佐藤潤のブログです。

京都民報社の記事

現在開催中のランデヴーギャラリーでの個展を
京都民報社さんに取材していただきました。

1000字を越える大きな記事にしていただき大変嬉しいです。

記事の全文は以下の通りです。



国際生物多様性年の今年、絶滅危惧種の動物たちを描く画家として
国内外で注目を集めている、佐藤潤さん(40)=京都市北区在住=の
作品展がランデヴー・ギャラリー(京都市上京区)で開催されています。


地球上の“TRESURE”(宝物)である生き物たちが
暮らす環境を守りたいと作品に思いを込めます。


 熱帯の魚が泳ぐサンゴ礁の美しい海の中から星空を臨む「海の星」。
ゾウやトラから虫たちまで生き物の穏やかな1日を描く「Days」。
 佐藤さんの作品は、動物たちを中心に人と自然の共存を、
アクリルをベースに日本画の顔料を混ぜた独特の美しい発色と質感で
描き出しています。大阪府出身。
 

 京都精華大学美術学部デザイン学科を卒業し、95年以降、
京都はじめ全国各地の百貨店などで個展を開催。
WWFジャパンや天王寺動物園に作品を寄贈しています。
 

 「この鳥は今地球に何羽いるの?」。個展を始めたころ、
カンムリシロムクというバリの国鳥を描いた作品を見た女性に
問い掛けられました。答えられませんでした。
調べると、80年代の調査時点で既に28羽しかいない絶滅危惧種でした。
他の作品の動物たちも大半は絶滅に瀕していました。
だれもが知っているゾウやトラも種によっては
動物園にいる頭数の方が多いものがあることもショックでした。
 

 自然と触れ合う場所の少ない大阪の工業地帯に育ちました。
大気汚染から小児ぜん息を患い、
家で図鑑やテレビに出て来る動物たちを描くことが
遊びの中心になりました。
 

 「このままではいけない」。
絵を通じて大好きな動物たちの現状を知ってもらおうと、
絶滅危惧種をテーマにしました。画紙にもこだわります。
森林伐採につながるパルプ原料でなく、
再生力の強い国産の竹100%の手漉き和紙、
竹紙(ちくし)を使用しています。
 

 10月には名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されます。
温暖化と違い、変化を感じにくい生物多様性の減退をこう例えます。


 「見たことも聞いたこともない生き物がある日突然いなくなっても
  大したことないと思うかもしれない。
  けれども、飛行機のような大きな乗り物の中で、
  ネジが1つ、また1つと外れていくことの怖さと同じだと思うんです」。
  毎回、作品展のタイトルに冠する「TRESURE」。


 「地球上の“宝物”を子どもたちの世代にも残してあげたい。
描いた動物たちの暮らす森や海の環境が今どうなっているか、
思いをはせてもらえたらうれしいです」
        ◇
8月1日まで(月曜は予約制)。
午前10時〜午後6時。
会場は、上京区下立売通智恵光院西入ル一筋目下ル。
075・821・7200。